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生地への加工って何ができるの?帆布への後加工のご紹介

繊維インサイト2023年8月10日

生地には様々は加工が施せるのをご存じでしょうか?
加工というのは生地に撥水や抗菌と言った機能を付与したり、プリントや刺繍等の装飾をしたり、元の生地にアレンジを行うことを指します。
仙田では、生地を販売するだけでなくお客様のご要望に合わせ加工のご提案もしております。普段使っている生地をアレンジしてみたい、この素材感がいいけれど厚みが足りないと言ったアイデアやお悩みをサポートしています。

目次
帆布への加工って何ができる?
PVC加工
風合い変化の加工
草木染め
洗い/タンブラー加工
プリント
エンボス・パンチング加工
他にもご提案できる様々な加工
まとめ

帆布への加工って何ができる?

今回は、仙田の表地の定番であるアルマダに様々な加工を施してみました。
アルマダは綿100%の8号帆布です。トートバッグによく使われる規格で、製品が自立できる程度の厚みがあります。特徴として裏を固糊で仕上げているため、バッグ・雑貨用途に向けたほつれ止めとしっかりとしたハリ感が強く出ている素材で、使い込むことで馴染んでいきます。
今回はそんなアルマダに14種類の基本的な加工を行ってみましたので、ご紹介いたします。

アルマダの商品紹介についてはこちらをご確認ください。

PVC

PVC加工は生地にPVC(ポリ塩化ビニール)をラミネートします。表にラミネートすればビニールによる防水効果、裏に施せば生地の厚み出しが可能になります。
1つ目は一番スタンダードな「表に0.2mmPVC透明つやケシ」のPVCです。

表に0.2mmPVC透明つやケシ

2つ目は「絞(シボ)付きのPVC」です。厚みは同じく0.2mmPVCの表面に革のような凹凸をつけることができます。

絞(シボ)つきのPVC

PVCは色を付けたり厚みを選んだり、表面に絞や生地の織り目を出して表情を加える等様々なアレンジが可能です。

 風合い変化の加工

アルマダの生地感をより固く、また風合いを変化させる加工もあります。
まずは「ハードAC加工」。AC(アクリルコーティング)はほつれ止めとして在庫品に施している加工ですが、このハードACは名前の通り生地を固くさせます。通常は裏面に施すため、表はそのまま綿帆布の手触りが残ります。

ハードAC加工

次は「メロウリンク加工」です。このメロウリンク加工は協力工場が生み出した独自の加工でしっとりとした風合いと形状記憶のような触り心地を再現しつつ、使いやすさを重視しています。生活防水程度の水を防ぐ効果も期待できます。

メロウリンク加工

最後は「パラフィン加工」と言い、古くは帆布が船の帆に使われていた時代で撥水効果を付与する加工でした。現在は撥水剤の性能の進化により、パラフィン加工は撥水性能は高くありませんが、パラフィンオイルによる生地の白化・チョークマークや経年変化によって変わっていく生地の風合いを楽しむ加工として人気があります。

パラフィン加工

草木染め

これは染色加工の一種で「草木染め」です。仙田の帆布は基本的には反応染料という綿用の色落ちしづらい染料で染めているのですが、別注として天然由来の染料を使用した染色も承っています。

草木染め

今回は茜という植物からなる染料を使用した色で染めています。草木染めは古来より使われていた手法ですが、堅牢度が悪く、経年により色が茶色く変色してしまうため、現代で再現するには化学染料も使用しております。
例えば茜を使用した場合ですが、オレンジ寄りのカラーからピンク寄りのカラーまで染めることができます。草木染めは、技法に拘りつつ希望の色味に染め分けが可能です。

洗い/タンブラー加工

洗い加工は生地を洗って柔らかくする加工です。帆布やデニムといった天然繊維を使用した生地、または製品にもすることができるスタンダードな加工です。
1つ目は基本的な洗いで「ワンウォッシュ」です。お湯や水で生地を洗い、糊を取って柔らかく仕上げます。

ワンウォッシュ

2つ目は「バイオウォッシュ」です。これは、セルロースを溶かす酵素を使って生地を洗っています。綿の主成分はセルロースと呼ばれる炭水化物で、それを少し溶かすことで使い古したような柔らかさ、ヴィンテージライクな風合いをあえて出すことができます。

バイオウォッシュ

3つ目は「バイオストーンウォッシュ」で、バイオウォッシュとストーンウォッシュを組み合わせた加工です。ストーンウォッシュとは生地と一緒に石を入れてわざとアタリ(ほつれや傷つきなどで一部分が元の生地と異なった風合いになること)をつけます。よりユーズド感が出せます。
アルマダは色落ちしづらい染料を使用しているため、通常より色落ち感が少ないですが洗いによる色褪せやほつれは風合い変化のアレンジとしてよく使用されています。

バイオストーンウォッシュ

その他に「タンブラー加工」もあります。こちらも風合いを柔らかくする加工ですが、洗いとは異なり水を使用しません。ドライタンブラーに入れ高温でもみ込むことで綿本来の柔らかくふっくらとした風合いに変えます。また、色落ちを抑えて変化をつけることが可能です。

タンブラー加工

プリント

アルマダ(8号帆布)へのプリント加工は仙田では大きく2種類を提案しております。
1つ目は「顔料インクジェットプリント」です。P(プリント下地)という真っ白で固糊やACなどをしていない状態の生地を投入し、全面に印刷します。インクジェットプリントは写真やグラデーションと言ったフルカラーの印刷に向いています。

顔料インクジェットプリント

2つ目は「水性顔料シルクスクリーンプリント」です。これは、#133セルリアンブルーの生地に黄色いドットと星だけ印刷しています。版と呼ばれる柄の入ったスクリーン越しにインクを刷っていきます。単色やロットが大きい場合、又は生地の地の色を生かしたい場合などにおすすめのプリントです。

水性顔料シルクスクリーンプリント

2種類のプリントを並べて比較すると違いがよくわかります。左が水性顔料シルクスクリーンプリントで、右が顔料インクジェットプリントです。

左:水性顔料シルクスクリーンプリント 右:顔料インクジェットプリント

エンボス・パンチング加工

プリント以外にも、生地に模様をつける加工があります。例えば、「エンボス」、「パンチング」加工です。
「エンボス」は型押しとも言い、凹凸のついた版を生地にプレスして柄を付けます。厚みがあったりクッション性がある素材に向いている加工で、アルマダは生地が厚いため柄が付きやすいですが薄手の素材には裏貼りをしてからの加工がおすすめです。

エンボス

「パンチング」は金型を使って素材を打ち抜く加工です。穴が開いて透け感が出るので素材の季節感を変えたり、他の生地を重ねることで見え方を変えたりすることができます。

パンチング

他にもご提案できる様々な加工

アルマダの基本的な加工見本としては以上の14種類をまとめてご紹介いたしましたが、仙田では他にも様々な加工を承っております。
厚み出しとしてはクッション性のあるウレタン・綿貼りからしっかりとした素材のカツラギ、インターロック貼りまであります。
装飾的な加工ではキルティング、刺繍、他にも箔・グリッター・フロッキーといった特殊プリントまでございます。
もちろん、これらの加工はアルマダ以外にも可能ですのでこんな生地にこんな加工がしてみたいというようなアイデアがございましたら是非ご相談ください。 

まとめ

ご希望の方にはこちらの「アルマダ加工見本」サンプル帳をお送りしていますので、ご興味を持っていただけましたらぜひサンプル帳請求フォームよりお問い合わせください。また、その他素材の二次加工も承っております。お気軽にご相談ください。

 

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